獅子
獅子は、山の神、田の神が里に降りるとき、悪霊を
追い払うための踊りといわれています。

貫井囃子保存会でも、新年には町内の家々に行き、玄関にて獅子舞いをする行事があり、一年の無病息災を願うといわれています。

獅子頭を持つときは、腕と頭を獅子頭と水平にして
動物の首に見せ、一人で踊るのが特徴です。
この基本を生かし、動物が獲物を狙うしぐさを見せたり、頭を細かく振るわせたり上下左右に動かしたり します。また耳を動かしたり足を噛んだりするなど
からだ全体で踊ります。

また、獅子頭を大、中、小と組み合わせた親子獅子の踊りも一つの特徴となっております。













道化面の踊り
道化面をつけた踊りは、仁羽の曲に合わせて踊ります。踊りの形としては、農作業から種まき、鍬(くわ)を使った仕事、つるべ井戸の水汲みの動作や日常のしぐさを取り入れている踊りです。それらの表現のなかで手拭い、扇子等を使って踊ることもあります。

特徴としては、腰をおとし足を広げ、顔、肩を使い
個性を出して踊ります。踊りは昔、座布団一枚の
広さのなかで踊っていましたが、現在では舞台全体を使って踊っています。

面の種類としては、ひょっとこ、大笑、口曲り、べろ出し、だるま、かわず等があります。
















岡目
貫井囃子保存会の岡目は、主に仁羽の曲に合わせて踊り、肩は使わず脇を締め、指を伸ばし、腰を
やや落とし、膝をつけて踊ります。その姿は控えめに女性の優しさを表現する場面が多くみられます。

踊りの動作は昔の生活のなかの様々な所作を取り
入れたものであり、また扇子を三分開きにして羽子板に真似たりします。
鎌倉の曲では獅子を寝かしつける仕草や、我が子のおしめを変える動作、着物の袖を使い針仕事の仕草のほか、扇子を使い化粧直しを真似たりもします。
しかし、優しく優雅に踊るだけではなく、昔の農作業の動作を取り入れ、泥臭さや滑稽さを踊りのなかで表現したりもします。

貫井囃子保存会では、岡目は男性が踊ります。女性が女の仕草をできるのは当たり前であるため、あえてそれを男性が表現することで、高度な技術を要しますが、より女性らしい仕草を追求して踊ることができると考えます。














狐(天狐)
天狐は神の使いで、白い狐と赤い狐等があり、
写真のように幣束(へいそく)を持って踊る場合も
あります。

脇を締め、足を閉じ、敏速に動くことが基本的な踊りのスタイルです。それに加えて、素早く頭を切るなど動作に激しさとメリハリを利かせたり、またゆっくりとした動作のなかで、毛が立つぐらいに顔を細かく
振るわせ、口を素早く動かす等、静と動の変化ある踊りで、より本物の狐に近い動きを出し、不気味さかつ機敏さ、スマートさ等が要求される踊りです。

そして、狐が獲物を狙うときのような不気味さと、威厳を出すために、足のバネや手の動かし方に非常に技術を要するともいえます。